己巳（つちのとへび） 貢ぎ物で暮らす最も高貴な蛇
この星命は巳の報身期に当たる生命で、巳の仲間では第5生命体つまり巳の最高権力者である。本来この生命は大林木（森林の中の木）と呼ばれる生命で、その意味は一本の木を大林に見せる人の意である。紳士である辛巳を貴族にしたような人象で、己亥と逆パターンの生命であり、特別に因縁が正反対となり両者は表裏の関係となる。一見すると柔和でおとなしいイメージの紳士淑女に見えるが、内面の誇りの高さは天下逸品で、拘束や支配を極端に嫌って女王陛下の如き振る舞いをする事から「天皇蛇」と呼ばれる。向学心に富んだ士気の熱い生命で学識や教養を身に付ける事を喜びとする生命だが、独断と偏見が先行しがちで勝手な解釈をする傾向は否めない。小を悟って大を知る生命で利発で聡い事は認めるが、それを鼻に掛けてしまえば、いかにも森の中の一本の木に過ぎないのに大森林を装いたがる「大林木」の生命になってしまう。自己を評価するのは社会であり、一本の木に徹すれば、つまりとことん向学に徹すれば、一本の大樹（cf. 平地木の生命）として認められるだろう。