長島茂雄 (1936.2.20)

壬申(みずのえさる) 貢ぎ物で暮らす皇帝猿

この星命は申の応身期(死んで宇宙に帰納する段階)に当たる生命で、申の仲間では第5生命体つまり申の最高権力者である。国家で言えば皇帝陛下か大統領に相当する生命と言える。格調高きあの甲申から脳みそを取り外して変わりにコンニャクを詰めたような人象だが、癸酉同様に刃鋒金の生命であり、天賦の格付けだけで勝負できる高徳の誉れ厚き生命である。この生命は老練な申の生命が応身の姿で現れるという生命で、甲戌とは逆パターンの生命である。甲戌とは人格の奥行きが異なるが、気位の高さだけは同じである。この生命も癸酉と同じで、何もしなくても周囲が大事に扱ってくれるので、生計が維持できるという生命であり、本人の実力とは無関係にただ人徳だけで勝負できるという大変楽チンな生命である。また、この生命は人と人の関係を上手に操るのが特技で、人を決して責めないところが美徳とされ評価される。温厚篤実な生命だが、供え物や貢き物が少なければ無断で無理やり借用して行く事も辞さない生命なので、癸酉同様にいささか扱いに難渋する生命でもある。まさに刃鋒金の如く、それ自体は金属として価値が無いのに、重要な道具として崇められる生命と言えよう


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