美輪明宏 (1935.5.15)

辛卯(かのとうさぎ)  夢食い虫の硬骨兎

この星命は卯の初老期に当たる生命で、卯の仲間では3番目に若い中堅の生命体であり極楽卯の癸卯とは異なり、少々取り越し苦労ぎみの頑固な生命である。この生命は松柏木(万年常緑樹)と呼ばれる生命で、その意味は自己の姿を変ぜぬ人の意である。老人の割合に若い夢を見て、また実際に若く見える事から「月兎」と呼ばれるが、そもそもこの生命は万年常緑樹の裸子植物の如き生命で、自己の姿や流儀を絶対に変化させないことで有名である。動作や分別は老人質だが、容貌や雰囲気そして夢や考え方は永久の万年青年のままでそれを決して変えようとしないのが特徴である。多数派の正官卯は律儀で生真面目な性質で一徹頑固に自己の生活スタイルを変えない方針の生命であるが、少数派の偏官卯は潔癖質の硬骨漢で維新の旋風を巻き起こす冒険家の生命である。どちらも夢食い虫の月兎であり、月の上で餅をつく兎であって、頑固に自己のスタイルを変えない生命と言える。信念思想の固さは美徳だが自己の夢を達成するのためには家族の犠性も、あるいは自己の命までも省みないという盲目的な頑固さは余り誉められるものではない。


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