三島由紀夫  (1925.1.14)

戊戌(つちのえいぬ) 頭の狂った変人哲学者

この星命は応身の青年期に当たる生命で、戌の仲間では3番目に若い生命体であり、無機質的な庚戌に血醐を与えて多感にしたような生命である。冷酷無慈悲な応身体に若い血が流れるのは歓迎だが、平地木の生命として現れるために、この世に自分ひとりしか存在していないような強烈な自己中心型の生命と成ってしまう。男気(男性フェロモン)を強く放つ生命で、異様とも思える徹底した自己顕示性を持つ事から「変態犬」とか「気違い犬」とも呼ばれる。その高い感性は凄艶とも呼べるほど深く、深淵なる哲理と生命美を追求する哲学者であって、生きながらにして宇宙空間に精神を彷徨させる精神異常者である。愛や美をとことん追求すれば最終的には結局死に通じてしまう。だがそこまで徹底するから優れた創作が可能となる。この星命の特徴は唯我独尊の精神世界に意識を置いているということであり、宇宙次元に潜むもう一人の自分を持つことである。高尚さと愚劣さという精神の二元性に葛藤して煩悶する若き応身の生命と言える。男の美学を追求するも結構だが、周囲に与える悪影響も考えなければならないだろう。


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