黒澤明 (1910.3.23)

丁亥(ひのといのしし) 社会に悪影響を及ぼす偽善者

この星命は報身の初老期に当たる生命で、亥の仲間では4番目の生命体であり、位から言えば社長や会長職に該当する生命である。己亥のような実力派の一匹狼ではなく、子分や信者を従えて団体の親分や教祖に成っているところが根本的に異なる。この生命は屋上土(屋根の上の土)と呼ばれる生命であり、その意味は屋根(会社や団体)の上に立つ事ができる人の意である。個人主義的な己亥を社交的にして明るくしたような感じの生命で、親分的な器を感じさせる事から”ボス猪”とか”会長猪”と呼ばれる。老人亥だから地味で温厚な性質のはずだが、それがとんでもない負けず嫌いの性格で人の上に立たねば気が済まないという支配欲大盛なたわけた生命である。報身体の生命なので能力の高い事は認めるが、いつも最上界から地上を見下ろし、隠居爺の如き無責任な言動を吐いては、自分が矢面に立って直接火の粉をあびる事を嫌うという何とも得勝手な生命である。会長は時に社長となって現場の指揮を取るべきであり、それをしないならいっさいの口出しは無用である。己れが権力を誇示して鼻にかけるという醜き欲望の化身ともいえる生命であり、報身の風上にも置けない生命といえよう。


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